新型コロナウイルスにおける水際対策として空港でのコロナウイルスを実施している日本。2020年3,4月頃の海外からの帰国者の声を見てみると
「機内で長時間待たされた。」
「検査待ちの長い列に並び、他の人との距離も近く検査待ちの間に感染してもおかしくないと感じた。」
「PCR検査の結果が出るまで時間がかかってつらい。長くて3日かかることもあると聞くし、その間どうすればいいか分からない。」
などの不安の声も多く上がっていました。
けれど2020年7月29日から成田空港・羽田空港・関西国際空港にてPCR検査から抗原検査へと変更され、驚くほどスピーディに結果が出るようになりました。
私は2020年10月に東欧から羽田空港経由で子供2人連れて日本に一時帰国しましたが、思っていたよりスムーズかつ快適に検査・入国・移動・隔離期間を過ごすことができました。
この記事では私の体験を元にコロナ禍での羽田空港からの入国〜隔離期間の過ごし方についての情報をまとめます。
※あくまで体験ベースでの記事なので、タイミングや状況によって変化することがあるかと思います。参考程度にご覧いただければ幸いです。
飛行機の機内の様子
ヨーロッパ便・日本便の機内の違い
私は東欧のソフィア空港(ブルガリア)→フランクフルト空港(ドイツ)→羽田空港(日本)と、1度乗り継ぎをして日本に戻ってきました。
最近の飛行機はかなり空いているらしいとの噂を聞いていましたが、ブルガリア→ドイツ間の飛行機は体感として搭乗率80%程度。
感染対策も特にしている様子はなく、
「大丈夫なんだろうか・・・」
と逆に不安になるレベル。
ヨーロッパ間、特にEU間の移動は国によるけれどあまり制限がなく、PCR検査の陰性証明さえあれば自主隔離免除などの条件もあってか、比較的自由に往来している印象でした。
2020年10月初旬の状況ではこうでしたが、10月中旬には一気に西欧を中心に感染拡大、ソフトロックダウンと言われる飲食店の閉鎖なども行われています。そのため、冬に向けて状況が変わる可能性は大です!
一方、ドイツ→ブルガリア間の飛行機はかなり空いていて、体感としては搭乗率30%程度の印象。
家族や一緒に予約した人同士が隣り合わせになることはあっても、他人同士は隣り合わせにならず、前後左右を見回すと空席が目立つ状態でした。
一時期はコロナ対策のため機内サービスの簡素化、食事メニューの変更などもあると聞いていましたが、上記を除いて機内サービスや機内での過ごし方はほとんど通常時と変わりませんでした。(食事もいつも通り)
私は子供2人いて子供だけで座らせておく・寝かせておくのは心配だったので席移動などはせず、座席にとどまっていました。
けれど、人によっては空席に移動して3席使って横になり眠っている人もいたほど!
機内にはたまにレインコートのような防護服らしき物を着ている人や、少しイライラぴりぴりした様子の人もいましたが、思っていた以上に普段通りの飛行機移動だったことに驚きました。
日本行きの便での配布書類について
普段から搭乗後しばらくすると税関に関する書類が配られますが、それと同じようなタイミングでA4、5枚ほどの用紙が客室乗務員から配布されました。
乗客1名につき上記書類(5枚1組)が渡されます。
子供についても1〜3の書類は記載する必要があるので、ご注意ください。
なお連絡先(携帯電話)やLINEの健康調査については、子供の分も親の番号・LINEアカウントを登録して全員分をまとめて答える形式で問題ないそうです。
4,5の書類はインターネット上でも情報として公開されているため、事前に目を通しておくこともできます。
空港到着後、1〜3の書類(特に1,2)は何度かチェックを受けることになるので取り出しやすい場所または手に持って移動しましょう。
なお記入漏れがあると足止めをくうことになるので、機内でしっかり記載しておくとその後の移動がスムーズです!
羽田空港到着後の流れ
事前にネットを通じて集めた情報では、飛行機着陸後も、機体から降りるまで1〜2時間待つ場合もあると書いてありました。けれど、私たちの場合は羽田空港到着後に
「それでは日本に入国するお客様はお降りください」
的なアナウンスが流れ、すぐに降りることができました。
空港の建物内に入った所に数名の職員の方が立っていて、<検疫の手順>と書かれた1枚の紙が配られます。
ではこの流れに沿ってご説明します。
Step1:概要説明(約5〜10分)
検疫の手順の紙を渡され、そのまま空港ロビーの椅子が並んでいる場所に通されます。
そこでは日本語および英語で繰り返し、検査の流れについての音声説明が流れています。
座席には1席置きにテープが離れ、ソーシャルディスタンスを保てるよう配慮されていました。
ここには職員の方が3,4名いて座席に座るように指示をしたり、書類1,2(健康カードと質問票)の記載漏れがないかの確認をしていました。
確認が取れた人から職員の方の指示に従って、次の部屋に進みます。
このロビーの近くにはトイレがあったので、トイレに行きたい場合はここで済ませていくと安心です!
Step2:検体容器・ラベル受け取り、検体採取(約10分)
Step1の部屋とStep2の部屋の間に長机が並んでいて、そこで再度健康カードと質問票の確認が行われます。
記入漏れがないか、どこの国から来たのかなどを確認した後、
- 質問票(返却)
- 健康カード(返却)
※検査番号とバーコードが印刷されたシールを貼られる - スピッツ(唾液採取の検査容器)
- ろうと(スピッツに唾液を入れる時に使用)
を渡されます。
それらと手荷物を持って先に進むと約25個に区切られた細長いブースが並ぶ部屋(ロビー)に着きました。
イメージ的には、カーテンのない更衣室という感じです。
それぞれのブースは衝立で仕切られていて、部屋の中央には長机があり荷物置きとして利用可能です。
各ブースには梅干し・レモンの写真が貼ってあったり、検査上の注意書きが貼られていました。
壁に向かって、そこに書かれている注意書きやレモン・梅干しの写真を見ながら唾液を出して、必要量の唾液が取れたらスピッツの蓋をして、ろうとはその場のゴミ箱に捨てます。
唾液を必要量採取できたら、部屋の出口にいる係員の方に渡して、量などチェックを受けた後、次の部屋に進みます。
Step3:書類審査〜検査結果待ち(約30〜40分)
空港内の廊下を歩いて書類審査の部屋(ロビー)に移動します。
ここで書類1〜3の確認を行い、書類2&3(質問票&LINEによる健康調査の同意書)は回収されます。
書類審査後は、エスカレーターorエレベーターを登って長い廊下を歩いて検査結果待ちの部屋(ロビー)へ移動して待ちます。
検査結果待ちのロビーには、椅子やテーブルなどはありますが、自動販売機などはありません。
どこで見たかは定かではありませんが、ネット上の情報だと待合室に軽食や水が用意されているパターンもあると書かれていましたが、特にそういったものはありませんでした!
書類審査後、エスカレーターで上に行く前に自動販売機があるのでそこで購入するのがおすすめです。
検査結果待ちの部屋に行った後に戻ることもできますが、徒歩3分くらい離れていたので。
検査結果が出た順に、健康カードに貼られた番号が呼び出されます。
番号を聞き逃してしまっても、結果が出たら待合室にあるテレビ画面に番号が表示されるのでそこで確認することが可能です。
検査結果の待ち合いロビーもかなり広くて、テーブル席やソファ席がありました。WiFiも使えるのでネットサーフィンをしたりゆったり待つことができます。
この待ち合い室に到着するまでは各部屋を順次移動していくため、あまり待たされていると言う感覚はありませんでした!
Step4:検査結果通知、移動手段の確認
検査結果が出た後は一人ずつ(もしくは一家族ずつ)窓口に行き、検査結果を確認します。
陰性の場合、検査結果(陰性)と書かれたシールを健康カードの検査シールの下に貼られ、ピンク色の【COVID-19 指定地域滞在歴あり】と書かれた紙を渡されます。
その際に空港からの移動手段も口頭で確認されます。
ピンクの紙を手に持って、入国審査・預け入れ荷物の受け取りを行って完了です。この紙は税関を抜けるまでは念のために手に持つorすぐに取り出せる場所に入れておくとスムーズに移動できるでしょう。
バゲッジレーンに到着したのは空港到着の約1時間半後。
預け入れ荷物はとっくに飛行機から降ろされていたため、スーツケースは空港のカートにひとつずつ乗せられてバゲッジレーンの横に置かれていました。
子連れの私にとっては荷物を出しておいてもらえてすごくありがたかったです!
子供の検査、準備について
2020年10月15日時点では、羽田空港・成田空港・関西国際空港では基本的に唾液検査が行われていて、今後
ただし、小さなお子さんでうまく唾液が採取できない場合には、PCR検査やインフルエンザ検査を行う時と同じ方法(スワブと呼ばれる長い綿棒のような器具で鼻の奥の粘液を採取する方法)が取られます。
羽田空港では基本的には抗原検査が行われているため、小さなお子さんがスワブを利用して検体(唾液や粘液)を採取したあと、抗原検査を実施します。
ただし、抗原検査をしても検体の量の少なさなど諸事情により結果が保留となる可能性があります!
抗原検査しても結果が保留となった場合、同じ検体を使ってPCR検査を行うため待ち時間が長くなるようです。
※基本的に検体は同じものを利用するらしく、2度痛い思いをする必要はないそうです。
我が家の子供達は6歳、4歳で二人とも通常の唾液検査を受けられました!
通常の唾液検査のメリットとして【侵襲性の低さ(痛みを伴わない)、検査する側が飛沫暴露するリスクが低い、結果が出るのが早い(速くて30分、遅くても2時間程度)】が挙げられます。
元看護師目線で子供が唾液検査をクリアするための準備・方法をご紹介します。
我が家は6歳息子、4歳娘、私の順番で唾液採取しましたが、子供たちに声をかけすぎて私の喉がカラカラになってしまい焦りました…!
また偶然待ち合い室で会った2歳の女の子は、唾液検査ができずPCR検査だったそうですが、検査結果は私たちとほぼ同じタイミング(約1時間程度)で出ていました!
コロナ禍での羽田空港からの入国について
この記事では羽田空港行きの飛行機の様子、羽田空港での動線、検査の様子についてご紹介しました。
子供2人を連れて一時帰国をした私の率直な感想としては、噂とは違いスムーズな流れ・安心感の持てる対応でほっとしました。
恐らく3月以降検討を重ね、対応や手順など体系化されたことと思います。
空港職員の方々や検査に携わる方には感謝するばかりです。
新型コロナウイルスの影響はまだしばらく続くかと思われます。
この記事が今後日本に帰国される方の参考になれば幸いです。
coment
こんにちは。大変参考になる情報ありがとうございます。
私も来月2ヶ月ほど東欧の国からフランクフルト空港経由で一時帰国予定です。
そこで1点質問なのですが、もしご存知でしたら教えてください。在ドイツ日本大使館のホームページに、(日本から滞在するEU加盟国に戻る時の話)
《旅券や航空券に加え,最終目的国(または次の乗り継ぎ国)の責任ある当局が発行した疎明文書(入国制限が適用されないこと,または入国の許可が与えられたことを証明する文書)を提示する必要があります》
とあるのですが、ブルガリアに戻られる前、フランクフルトでの乗り継ぎ時に何か書類を提示要求されましたか?永住権や滞在許可のカードで充分だとは思ったのですが、もし体験された方がいたら、どうだったのかお聞きしたく。
もちろん状況が逐一変化しているので、参考ということですお聞かせいただけたら嬉しいです。
長文質問すみません。。。。
Hideさんはじめまして。
コメントありがとうございます。 ご質問への回答ですが私は特にフランクフルト空港ではチェックは受けませんでした。
ただし羽田空港でチェックインの際に「渡航許可書の提出を」と言われ、ブルガリアは日本からの入国を受け入れてる旨を口頭で説明&居住許可証を提示しました。
ブルガリアはEU加盟国ですがシェンゲンには加盟していないので、そこの違いはあるかもしれません。
ただ私の知人で日本発フランクフルト経由でシェンゲン域内の国へ渡航された方も、フランクフルトでは特に厳しいチェックはなかったとの事でした。 また私は念のためドイツ語で書かれたブルガリア入国に関するページを印刷して持っていきました!この書類は、在ドイツ日本大使館→ドイツ乗り継ぎの注意点→フランクフルト空港警察のホームページ、という順番でチェックできるのでご参考まで。 コロナ禍での移動はストレスが多いかと思いますが一時帰国で羽を伸ばせますようお祈り申し上げます。
また何か気になる事がありましたらお気軽にお声掛けください!