海外育児中に知った幼児期にプレゼン力を伸ばす秘訣

海外育児
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日本人がプレゼンが苦手なのは、子どもの頃あまり人前で発表する機会がなかったから、なんて話を聞いた事ありませんか?
他にもシャイな国民性など諸説ありますが、実際日本人のプレゼンは非常に型にハマっていて一本調子なことが多いです。一方、海外の人のプレゼンを見ていると堂々たる態度や話し方・惹きつけ方の上手さに圧倒されます。
東欧に住み始めて4年目。その差について考え続けた結果、幼少期から人前でプレゼンする機会が圧倒的に日本と比べて多く、人前で話すことに全く抵抗がないことが、一つの大きな違いだと実感しました。

また海外の学校での取り組みを間近で見ていて、家庭でも実践できそうな点を見つけました♪
この記事では実体験をベースにインターナショナルスクールで行われている幼児プレゼン教育を紹介します!


海外に行く予定はなく、日本で家庭保育をしている方でもこの記事を読めば、家庭でも楽しくプレゼン練習ができます。
インターナショナルスクールに子どもを通わせ始めたもののプレゼンがあると聞いて不安に思っている方、きっと参考になる部分があるのでぜひ読んでみてください♪

チカ
チカ

我が家は子ども達が4歳(年中)、2歳の頃に東欧に引っ越してきました。日本人学校がないので、二人ともインターナショナルスクールに通っています。
(※下の子は最初小さすぎたのでバイリンガル幼稚園、4歳からインターに転園)

この記事はこんな人におすすめ

・インターナショナルスクールに子どもを通わせている人
・幼稚園〜小学校低学年の子どもをもつ人
・子どものプレゼン力を伸ばしたいと思っている人

海外の幼稚園・学校では●●についてプレゼンの時間がある!

PreKからGrade2までの授業の様子を見ていて、ある共通点に気がつきました。それはどの学年でも自分の好きなものについて発表する時間が設けられているということです。

プレゼンの名称や形式は学年によって違いますが、低学年くらいまではみんなの前でプレゼンする際には、知識や技術を披露するのではなく、自分に関することを紹介するという形式を取っています。

例えば縄跳びができるかどうか、鉄棒ができるかどうか、難しい問題が解けるかどうか。
そういったことは少なくとも幼稚園の間は全く問われず、徹底して
“自分はどんな人間なのか”
“自分はどう考えるのか”
などにフォーカスして発表することが求められているように感じました。

勝ち負けも、正解不正解もなく、発表することに意義がある、そんなプレゼンを小さい頃から重ねて人前で話すことへの抵抗感を無くしているようです。

チカ
チカ

小学生になるとさすがに授業の際に、正解不正解がある問いかけも出てきましたが、それはあくまで手を上げて答えるものなのでプレゼンとは違います。

またそういった授業でたとえ間違えたとしても、必ず先生が

“あなたの考えを教えてくれてありがとう”
と声をかけてくれるので、間違えても発表することへの意義を子ども自身が感じられるようでした。


実際に海外の幼稚園・学校で行われているプレゼンの名称/内容

Image by Michal Jarmoluk from Pixabay

“自分についてのプレゼン”ってあまり日本では馴染みがないように感じます。一体どんな内容で、どんな風に発表するのでしょうか?
気になる方のために我が家の子ども達が過去に実際やったことがあるプレゼンの名称/内容についてご紹介します♪

Show and Tell

3歳頃から複数回実施。Grade2でも取り入れられています。
文字通り、自分の好きなものを持って行き、それをみんなの前で見せて(Show)、それが何なのか・なぜ好きなのか・どんな所がいいと思っているのか、などを説明(Tell)します。
欧米の幼児プレゼン教育の中で最もポピュラーなプレゼンの形式です。

チカ
チカ

これは幼稚園のオンライン授業の時にも実施されていて、授業時間が余ると先生が
「じゃShow and Tellの時間にしましょ!みんなのお気に入りのおもちゃ持ってきて見せてー♪」
と声をかけていました。
家にいるからこそ見せられる大きなおもちゃを画面いっぱいに写す子やお気に入りのベッドを見せる子もいて、オンラインならではの楽しみ方を学びました!

Star of the week

娘がPreK(年中)の時に実施。
まず1週間に1人ずつ、その週のStarになる子を決めておきます。その週のStarに選ばれた子は自己紹介のプレゼンをみんなの前で行ったり、先生のお手伝いやクラスのリーダーを務めたりするという取り組み
KindergartenやPreKなどインターナショナルスクールの幼稚園部で実施されることが多いようです。プレゼンにあたり、親の助けも必要になります。
我が家の場合は、先生から事前に送られてきたパワポのフォーマットに、子どもと相談しながら写真を入れたり文字を入れたりして準備しました。

チカ
チカ

ちなみに、その時作ったプレゼンの質問内容は、出身国、好きな色、好きな食べ物、好きな遊び、好きな場所についてでした。
さらに伝えたいことがあれば自由に追加してOK♪
娘はお料理にハマっていたので、料理やおかし作りをしている写真を入れてプレゼンの準備をしました!

All about me box

娘・息子ともにKindargartenクラス(年長)の時に実施。
事前準備として、家で空の靴箱(靴を購入する際についてくる箱)を用意して、箱をデコレーションし、好きなものを5-6個入れます。それを学校に持っていき、クラス内でしばらく展示。
発表日が来たらみんなの前で発表
を行います。
娘も息子も、Kindergartenクラスが始まって少し落ち着いた頃にこの課題が出されました。クラスメイトがお互いを知るために用いられる取り組みのようです。

チカ
チカ

箱のデコレーションにも、何を入れるかによってもかなり個性がでます。

写真や好きな音楽のオルゴール、(先生がOKしてくれたら)USBに好きな曲を入れて持っていくなんてことも♪
事前準備も必要だし、定型の質問もないので上記の2つと比べて少し重めのプレゼンになります!
みんなの前でたくさん話すことになるし、緊張はしますが、事前準備の段階で親と一緒に話しながら準備することで、自然とプレゼンの準備にも繋がります

Writing workshop

息子がGrade1,2の時の作文の授業
これは論理的な文章を書く形式を教えるという授業でしたが、適宜一人ずつ発表するように促され、発表の時間もしっかり設けられていました。
日本の国語の作文とも少し似ていますが、Opinion writing, non-fiction writing, narrative writing(意見、事実、物語)の順番でそれぞれの書き方を習い、自分の好きな内容で文章を作っていました。
論理的に説明するための形式はしっかり教えつつ、テーマが”心に残っている出来事”などかなり自由な点が印象的でした。

チカ
チカ

ちょうどこの授業をしている時、オンライン授業だったのでそばで聞いていたら、とにかく話題が多岐に渡っていてびっくり!

ただどの作文も内容は何を書いてもOKだけど、きちんと論理的に書かれているかを先生がしっかりチェックしていました。小学生から論理的かつ分かりやすい説明の仕方をしっかり習っている点が私にはとても印象的でした!

Grade1(小1)で習ったwritingのポイント

  1. 情熱を持って最後まで書き切る
  2. 導入・説明・結論をしっかり分けて書く
  3. 興味を引くような内容をいれる
  4. 中身だけでなく、スペル・大文字小文字の区別・句読点にも注意する

プレゼンの際の先生の凄技ポイント:発表しやすい環境作り

海外の幼児教育では上記のように多くの手法でプレゼンする場を設けています。けれど、もちろん最初のうちは恥ずかしがったり発表できない子どももいます。

ではどうやって子ども達が堂々と発表できるようになっていくのでしょうか。
私はその答えは先生方の努力による、発表する時の雰囲気作りにあると思います。
ポイントは以下の3点です。

  • 無理強いしない
  • 完璧を求めない
  • 発表後の前向きなフィードバック
チカ
チカ

ここで紹介した内容を家庭で実践する時、親がこの雰囲気作りをする必要があります!
プレゼン以外にもとても勉強になる姿勢だと感じたので、詳しくご説明します♪

1.無理強いしない

例えば緊張のあまり子どもが泣き出してしまった時や、まだ作文ができていない/自信がないなどで子どもが発表したがらない時。

そんな時、先生は子どもが落ち着くのを待ったり、優しい声で質問したりして子どもが発表に前向きになれるような雰囲気作りをしてくれます。
決して急かしたり、責め立てたりしませんでした。
ただ待っていてもやっぱり今はできないと判断した場合、順番を入れ替えたりと臨機応変な対応をしていました。

子どもによっては人前で話すこと自体に緊張してしまうもの。そんな時に先生から責められたり急かされたりしたら余計に動揺してしまいます。
でも先生がそれぞれの子のタイミングを待つという姿勢をとることが、プレッシャー軽減に繋がるのだと感じました。

2.完璧を求めない

Show and TellやAll about me boxなど、幼稚園の子が発表をする場合。あまり上手に説明できないこともあります。
そんな時にも、本人が頑張っている限りはしっかり子どもの言葉が出てくるのを待ち、どうしても止まってしまう場合には適宜質問を交えて話しを引き出すなど助け船を出してくれました。

またGrade1以降の作文の発表の際には、例え完璧じゃなくても最後まで書き切ることの大切さや自分の伝えたい内容に着目してそれを情熱を持って伝えることの大切さを繰り返し伝えていました。

先生が笑顔で見守っていてくれる、
困ったら助けてくれる、
完璧じゃなくても最後までしっかり聞いてもらえる
ーそんな感覚を子どもに伝えることで、完璧に話さなければならないというプレッシャーから解放し、人前で話すことへのハードルを下げることができるのでしょう。

3.発表後の前向きなフォードバック

プレゼンに限ったことではありませんが、どんな些細な発言でも発表すると必ず第一声が

“Thank you for sharing your opinion.”
(あなたの意見を教えてくれてありがとう)

だったのがとても印象的でした。(私の印象だと発表後には良し悪しの評価や正誤判定がくるイメージがあったので。)
何を言っても受け入れてもらえるという安心感は発言・発表への前向きさに繋がります。

また発表後にはクラス全体にフィードバックを求めます。
そのフィードバックも
発表を聞いてみて、好きだと思った/共感したパートはどこか
というポジティブなもの。

先生だけの姿勢ではなく、クラス全体を巻き込み、盛り上げてプレゼンしやすい雰囲気を作るのも大切なのだと感じました。

プレゼン力を伸ばす秘訣は慣れ&発表しやすい環境づくり

Image by White77 from Pixabay

ここまでで、インターナショナルスクールで実際に行われている幼児のプレゼン教育の内容、学校での工夫についてご紹介しました。

PreKからGrade2までインターナショナルスクールに子ども達を通わせて感じたプレゼン力の伸び。
その秘訣は確かに回数をこなすことによる慣れもありますが、回数だけでなく”人前で話す・自分に意見を発表する楽しさを伝える教育”にあるのではないかと思います。

私自身、上の子の最初の発表の時は完璧さを求めて必死に練習させようとしたりしました。
でも今となっては反省しています。
幼児期のプレゼン力を伸ばすために必要なのは、厳しい練習をして完璧なプレゼンをすることではなく、自分の好きなものを伝えたいという気持ちを尊重することだと気づいたからです。

インターナショナルスクールや海外の幼稚園にお子さんが入園して緊張しているパパママ。
プレッシャーに感じず、お子さんと一緒に発表準備を楽しんでください

日本にお住まいで、家庭内でプレゼンの練習をしたい・お子さんのプレゼン力を伸ばしたいと考えているパパママ。この記事で紹介したプレゼンをやってみてください。その際、ぜひ楽しみながら、会話を大事にしながら準備をして、リラックスした雰囲気で自分のことを語る時間を心がけて頂ければ嬉しいです♪

この記事がお子さんのプレゼン力を高めたい/高めなきゃとプレッシャーに感じているパパママの役に立てることを心より願っています。

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