新型コロナウイルスの影響で、海外からの日本に入国する場合には、出発国・地域に関わらず全ての人に対して公共交通機関の利用自粛および14日間の自主隔離が要請されています。(※2020年11月5日現在)
“全ての国または地域を出発し、日本に到着する航空機及び日本の港に入港する船舶に乗って来られた方については、検疫法に基づく隔離(入院)・停留が必要となる場合があるほか、検疫所長が指定する場所(自宅等)において14日間の待機をお願いすることとなります。また、ご自宅等へは公共交通機関を使わず、ご家族やお勤めの会社等による送迎でのお帰りをお願いすることとなります。”
引用:厚生労働省ホームページ、水際対策の抜本的強化について(新型コロナウイルス感染症)
空港での検査に関してはネット上で時折情報を目にすることもあるし、私自身も先日別の記事にまとめました。
けれど、空港を出た後の動線や保健所によるフォローアップなど実際の状況についての情報はより少なく、当初私は戸惑いました。
なので私の経験を元に空港での検査後から自主隔離期間の生活についての情報をまとめます!
私は2020年10月に東欧から日本へ、諸事情により一時帰国をしました!
6歳、4歳の子供を連れてワンオペでの移動。不安と疲労でクタクタです…
今後第2波の影響で子連れ帰国、母子帰国をする方もいらっしゃるかと思います。
そういった方々のお役に立てれば幸いです!
空港からの宿泊施設への移動について
2020年3月以降、海外から日本に入国する場合は公共交通機関(電車、バス、タクシー、国内線航空機、旅客船など)を使わずに移動するよう厚生労働省から求められています。
そして検査が陽性だった場合には指定の隔離場所(症状が重ければ病院など)に検疫所が用意した車で移動するそうですが、検査陰性の場合および検査対象外地域からの入国の場合には自力で移動手段を確保しなければなりません。
私は羽田空港で抗原検査を受けた際、何箇所かで移動手段について口頭で確認をされました!
ではどうやって移動すればいいのか、というと厚生労働省のページにて
●自家用車
●受け入れ企業・団体所有車両
●レンタカー
●ハイヤー
と説明されています。
私の周りでは、空港まで家族に迎えに来てもらうパターン(自家用車の利用)か、ハイヤーを利用するパターンが多いです。
私は父の持病があり、心配だったのでハイヤーを依頼しました。
今回利用したのはらくらくタクシーというサービス。
個人的にはすごくおすすめです!!
上記のハイヤーのメリット、デメリットについては私が利用したらくらくタクシーの場合で記載しています。
らくらくタクシー利用レポート
私は日本到着後、元々日本の電話が使えるSIMカードを持っていたので電話連絡をしました。が、そうでない場合でも空港内wi-fiを利用して、WhatsAppもしくはLINEの電話機能で運転手さんと連絡が取り合うことができます。
羽田空港のハイヤー乗り場には長時間停車していられないらしく、入国ゲートを出た時点で一報入れ、ハイヤー乗り場までは自力で移動。
合流はとてもスムーズで、合流後は大きなスーツケースをトランクに入れるなどのサポートや子供にも優しく笑顔で接していただき、安心感がありました。
ハイヤー内にビニールカーテンがあり、運転手さんと利用者が隔てられていました。
また座席には一人一本ずつミネラルウォーターが用意されていたり、丁寧な対応をしてもらったり。
多少お金はかかりますが、依頼してよかったと感じました。
自主隔離生活
日本入国の際に飛行機機内配られる書類の中に14日間の滞在先を記入する欄があります。
海外からの帰国者は、必ず14日間の待機場所を事前に決めて厚生労働省・検疫所に申告しなければなりません。(※2020年11月5日時点では出発地に関わらず全員自主隔離が必要です。)
ここで虚偽の申告をした場合には、検疫法第36条の規定により罰せられることがあります。(6ヶ月以下の懲役または50万円以下の罰金)
※飛行機内で配られる書類などについても詳しく説明しています。
待機場所は自分で決めることができ、健康カード・質問票にそれぞれ記入します。
待機場所について記入する欄は2ヶ所あり、自主隔離14日間のうちに移動することは可能です。
ただし、移動の際には公共交通機関は使えないので、移動の方法を明確にしておく必要があります。(徒歩、自家用車やレンタカーの利用など)
私は日本到着後、最初の4日間だけ実家付近のホテルで過ごし、その後徒歩で実家まで移動ました!
なぜ途中で移動したのか、それぞれの待機場所での生活のコツや注意点についてご説明します!
ちなみに14日間というのは、入国した次の日から数えて14日間なので計算を間違えないように注意が必要です!
また基本的には指定された場所(自分が健康カード、質問票に記載した場所)から外出はしないことになっていますが、食料買出し目的でのスーパーマーケットやコンビニの利用は認められています。
私が3,4月頃に目にしたツイートや記事などでは、ホテルの部屋から全く出られないと書いてありましたが、だいぶ緩和された印象です
1.ホテルでの自主隔離生活
私が到着後最初の数日間をホテルで過ごすという選択をした理由は3つあります。
1.日本到着後に本当に体調に問題がないかを見極めるため
2.時差ぼけ解消のため自分たちのスケジュールで生活したかったため
3.新型コロナウイルスの潜伏期間は1〜14日だけど、WHOによると暴露(ウイルスにさらされること)から5日程度での発症が多いらしいのでその期間はしっかり日本に住む家族と距離を保ちたかったため
(※潜伏期間、発症まで5日程度という情報のソースは【新型コロナウイルス感染症 診療の手引き】、1.1伝播様式より)
ホテルには予約する際に海外からの帰国者である旨を伝え、受け入れ可能かを確認しました。
私の場合は空港での検査対象地域からの帰国だったので、チェックイン時に陰性証明を提示する約束で予約をとることができました。
またホテル探しの時点で重視したのは部屋の広さとベランダの有無。
我が家は6歳&4歳の子連れだったので少しでも外の空気に触れたい!けど、周りに迷惑かけたくないという気持ちが強く、その結果ベランダ付きの部屋を探すことにしました。
今回宿泊したホテルはたまたま角部屋だったため、ベランダがL字型になっていたり、電車が見えたりと思った以上にホテル生活は快適でした♪
あとはお風呂がユニットバスではなく、浴室に湯船とシャワーがあるタイプだったので長めにお風呂に入って遊んだり、普段はあまり見られない日本語のテレビを見たりして、あっという間に時間が過ぎました。
子連れでのホテル滞在、しかも外にはあまり出られないということで緊張していましたが、条件次第ではかなり快適に過ごすこともできると分かりました。
2.自宅(実家)での生活
当初はもう少し時間を置いてホテルから実家に移動しようかと考えていましたが、荷物&子供2人を連れて私一人で移動は無理だと思い、実家家族とスケジュール調整して移動日を決めました。
体調は問題ありませんでしたが、やっぱり持病がある父との接触はなるべく避けたくて、以下のことに気をつけて過ごしました!
今回は私も子供達も症状がなく、当時私が住んでいる国やトランジット先のドイツでの感染もそこまで多くはなかったので、感染のリスクは低いと考えこういった対応にしました。
また、洗濯や食器の洗浄などは分ける必要がないとのことだったため、洗浄前のコップなどを共有しないように気をつけて過ごしました。
10月下旬からヨーロッパ全体での感染状況は一気に悪化しています。
もしまた帰ることがあれば、この時と比べると感染リスクもずっと高いでしょう。
なので、検査が陰性だとしても、もう少し長くホテルに留まることにすると思います。
厚生労働省によるフォローアップ
自主隔離期間中は空港で提出した待機場所で過ごす必要があります。
待機場所を記載する理由は、管轄地域の自治体の保健所に登録するためです。
そして日々の健康状態の確認は基本的にはLINEで行われます。LINEアプリを利用した健康調査については飛行機機内にて同意書を渡され、それを元に実施されます。LINEの利用に同意されない場合やLINEアプリを持っていない場合には、管轄の保健所から電話などでの確認があるそうです。
なお、LINE登録に際して日本国内の電話番号が必要となります。
「子供は携帯を持っていないのでどうすればいいのか、LINEでの回答は家族単位でいいものなのか?」と、空港でLINEアプリを利用した健康調査への同意書を提出した時に確認してみました。
結論としては、子供の分は親がまとめて回答すれば良いとのことでした。
これは実際の厚生労働省からのLINE画面です。
ここに【開始までに数日間かかることがありますので、ご了承ください】とある通り、LINE友達登録後5日間何の音沙汰もなく、アンケートへの回答を開始すべきか悩みました。
そして6日目の朝、以下の文面が送られてきました。
ここにある通り、この通知以降は毎朝10時頃アンケート(毎回同じ質問、合計2問)が送られてきました。
そして14日目のアンケートが終わるとそこで終了です。
私が住んでいる国では警察が抜き打ちで自宅訪問を行ったり、他の国ではGPSを利用した位置確認などもあると聞きました。
日本の自主隔離について海外の友人と話すと、「日本の方法はずいぶんマイルドだねー」と驚かれました。
自主隔離期間の過ごし方(6歳4歳子連れの場合)
参考までに私が子供たちと実家に移動後過ごしていたスケジュールは以下の通りです。
ホテルに滞在している間は時差ぼけ解消&旅の疲れをとるためにひたすらのんびりしていました。
日本の良さはやっぱり何と言っても物流の正確さ!
自主隔離期間はつらいだろうと思っていましたが、本やキッズワーク、おもちゃなどをネットで注文すれば早ければ翌日には届くので思った以上に快適でした。
子供たちも3月から5月のロックダウンを経験し、屋内で過ごすことになれていたのもよかったのかもしれません。
とはいえ、お友達と会えないストレスも強かったので、ずっとホテルにいたらつらかったかな、と感じます。
隔離期間に意識したことは
・なるべく子供のストレスがたまらないように、友達と連絡を取り合うこと(時差があるので電話は難しかったけれど写真や動画を送りあったり)
・YouTubeなどを利用して英語の維持&運動をすること
・ベランダに少しでも出て外気に触れること
などです。
今回の隔離期間、最初の1週間は問題なく過ごしましたが、だんだんストレスが溜まってきて、10日目前後は結構しんどかったです。
また普段は平日学校や幼稚園に通っている子供たちと、24時間一緒で子供のケアをしなければ!と気負っていたのも私のストレスの原因かなと思いました。
もう少し楽に過ごしてもよかったかも、と今は考えています。
空港からの移動〜自主隔離期間の生活まとめ
海外からの帰国者の空港到着後の移動から、14日間の自主隔離期間の生活についてまとめました。
全行程を通してみて、3,4月頃に聞いていた状況と比べるとずいぶん緩和されていると感じました。
自主隔離においても、あくまで自主性にまかされているので、いくらでも誤魔化すことはできると思われます。
これは日本の法律上、罰することができないという点も大きく影響しています。けれど周囲に感染させてしまうリスクがゼロではないと考えると、自分勝手な行動をとることはできません。
自主隔離期間を乗り越えれば胸を張って外にも出られます!
最初の数日はまずは時差ぼけ解消&長旅の疲れを癒すことに専念し、その後はどうぞストレスを溜めすぎないようにお過ごしください。
この記事が皆様のお役に立てれば幸いです。
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