小さな子供を連れて海外引っ越しすることになった場合、現地での生活はもちろん医療のことってかなり気になりますよね。
日本で子供を連れて病院に行く時必要となるのが母子手帳。
では海外の病院受診時、日本語が通じない時はどうすればいいのでしょうか?
実は母子手帳って英語版もあるのをご存知ですか?
この記事では英語版母子手帳の取得方法や実際の活用法についてご紹介します!
英語版母子手帳って何?
英語版母子手帳とは日本語版母子手帳の内容をほぼそのまま英語に訳したもので、日本語・英語の2ヶ国語で表記されています。
大きさは普通の母子手帳より一回り大きく、A5サイズです。
英語版母子手帳を発行しているのは株式会社母子保健事業団という団体。
そちらの団体の公式サイトに英語版母子手帳についての説明が下記の通り記載されていました。
国際化の進む中、日本語のわからない住民の方々に、大切な制度を完全に理解してもらうために、在日人数の多い9か国語に翻訳いたしました。海外赴任の際にもご活用いただけたら幸いです。
他の言語として「ハングル」「中国語」「タイ語」「タガログ語」「ポルトガル語」「インドネシア語」「スペイン語」「ベトナム語」があります。
(引用:株式会社母子保健事業団、英語/日本語母子健康手帳、https://www.mcfh.co.jp/material/detail/27)
元々は日本に住む海外の方が、安心して出産するために作られたものなんですね!
英語版母子手帳ってどこで貰えるの?
英語版母子手帳は、無料でもらえる場合と購入する場合があります。
同じものなのにタダで貰えたりお金を払ったりするってどういうこと?って思いますよね。
これは母子手帳を交付する管轄が市区町村ごとの自治体に任せられているため、その自治体が英語版母子手帳を用意しているかどうかによって変わってきます。
無料でもらえる場合と購入する場合、それぞれの方法について以下でご説明します。
役所の窓口での交付:無料
普通の母子手帳は区役所や特別出張所などで交付されますが、英語版母子手帳は何も言わなければ交付はされません。
ただし、海外渡航する旨を伝えれば母子手帳をもらうのと同じ窓口で受け取ることができます。
妊娠中に今後海外引っ越しすることが決まっている場合はもちろん、小さいお子さんをお持ちの方は日本語版母子手帳を持っていくと貰うことができます。
ただし英語版母子手帳は役所の窓口に必ずおいてあるわけではない様子。
なので受け取りの際には事前に電話確認、もしくは申請前に窓口に確認しにいくのがおすすめです。
私は第一子が生まれる時点で海外に行くことが決まっていたので、第一子の時は病院の先生が気を利かせて取り寄せてくれました。
二度目の海外駐在のときには、第二子の分の英語の母子手帳を念のため貰っておこうと区役所に問い合わせたところ、母子手帳を交付している窓口にて日本語版の母子手帳を提示すれば配布可能とのことでした。
当時娘は2歳でしたが、問題なくもらうことができました。
インターネット上で購入:有料
英語版母子手帳は国が作っている冊子ではないため、残念ながら取り扱っていない自治体もあるようです。
けれどその場合にも、インターネット上で購入することが可能です。
インターネットで購入する場合には本の楽育まんてん堂からご購入ください。
英語版母子手帳の発行団体は母子保健事業団ですが、そこから直接購入できるのは団体のみとなっているので、個人で購入する場合は上記にアクセスしてください。
また、インターネット購入の場合もタイミングによっては売り切れのことがあるようです!必要な場合にはお早めにご確認ください♪
英語版母子手帳の実際の活用方法
母子手帳は妊娠〜出産〜子供の幼少期の健康状態を一冊に書き記すことができる上に、日本の予防接種スケジュールや日本の子供の平均身長や体重などの必要な情報も記載されています。
そんな便利な母子手帳ですが、実は母子手帳制度は世界中にあるわけではなく、元々は日本特有の制度でした。
(現代ではこの制度を取り入れている国もあります。)
そのため、元々海外にない制度だから必要ないと考える方もいるでしょう。
確かに英語版母子手帳は海外生活の必需品!というわけではありません。
けれど私は個人的に持っていて良かったと思いました。
その理由は
- 病院受診時、子供のことを説明する際に便利
- 日本の予防接種や健診のスケジュールを医師と確認しやすい
- 巻末の英語表記が役に立った
という3点。
この事について実際の経験を踏まえて詳しくご説明します。
その1:病院受診時、子供のことを説明する際に便利
1歳未満で病院受診する場合、出産時の状況(体重や出産時にトラブルなどがなかったか、その後の成長発達に問題がないか)について確認されることが多いでしょう。
海外での病院受診、英語での診察、慣れない環境の中でぱっと答えられない、なんてことも。
そんな時でも、英語の母子手帳があれば出産時の状況のページや健診時のページを出すことでスムーズに説明することができます。
日本語ほど言葉が流暢にでてこない中で子供が病気になった時、その子の今までの記録がギュッと詰まった母子手帳があれば安心です。
その2:日本の予防接種や健診のスケジュールを医師と確認しやすい
海外だと子供の身長や体重の平均値や、予防接種のスケジュールなども日本と異なるケースが多いです。
そんな中でどのスケジュールで予防接種を打っていくのか、我が子の発育状況は標準から大きく外れたりしていないのか?
こういったことを確認するためにも母子手帳は役に立ちます。
特に海外でかかりつけ医を決めて、予防接種を打っていく段階では日本のスケジュールとその国のスケジュールを照らし合わせて接種するワクチンやタイミングを考える必要があるでしょう。
また健診も日本では3ヶ月健診、1歳半健診などの集団健診がありますが、海外だと基本的には任意での診察です。
どのタイミングで健診を受けるのか、また健診時に何をチェックしてほしいのかを医師に伝える際にも英語母子手帳は有効です。
その3:巻末の英語表記が役に立った
英語母子手帳の巻末には病気の名前・体の部位の名前・症状の伝え方などの英語が書かれています。
個人的にはこの巻末の英語表記が一番役に立ちました!
指差し英会話のような感覚で伝えたい症状や部位について医師に示せるのがありがたいポイントです。
私はトルコに住んでいる時に第二子妊娠したので、第一子を連れて英語のクリニックにて妊婦健診を受けました!
英語母子手帳には妊娠時に必要な単語のまとめてあるので、すごく助かりました♪
長期滞在の際にはぜひ英語版母子手帳を持っていこう!
英語版母子手帳の貰い方やその利用法について今回はご説明しました。
英語版母子手帳は必ずしも海外渡航の際に必要となるわけではありませんし、無しで過ごす人ももちろんいます。
ただ私個人としては3歳以下のお子さんをお持ちの方で、海外に長期滞在する場合には英語版母子手帳を用意することを強くおすすめします!
逆に3歳以上の場合は、病院受診時に出生時の状況などを説明するケースが減るので英語版母子手帳の利用頻度は減るでしょう。
けれど小さい子連れでの海外生活や、妊婦生活は不安もつきもの。
そんな時に英語版母子手帳を持っていれば、それだけで安心材料になるでしょう。
出国後に欲しいと思ってもなかなか手に入らない場合が多いので、海外に行く準備の一貫として手に入れるといいのではないでしょうか。
この記事が子連れでの海外駐在・移住をお考えの方のお役に立てれば幸いです。
coment