2019年12月下旬に中国武漢から始まったと言われる新型コロナウイルス( COVID19)。
2020年3月11日にはWHOも世界的流行(パンデミック)である事を認め、多くの国が非常事態宣言を出し、街を閉鎖するなど国レベルでの対策を講じています。
こうした行動をとる国に住む人たちのSNSでよく話題に上がっている社会的距離戦略(Social Distancing)という言葉。
私は現在ブルガリアにいて、息子の学校や私の周りのママ友からは、社会的距離戦略(Social Distancing)についての話題をよく聞きます。
私にとってはあまり聞きなれない言葉だった社会的距離戦略(Social Distancing)ですが、知れば知るほど理に適っていると感じました。
幼い子供を持つ母として、元看護師として有効な考え方だと感じたので、この記事で社会的距離戦略(Social Distancing)の意味と、具体的な行動についてご紹介します。
社会的距離戦略(Social Distancing)って何?
社会的距離戦略(Social Distancing)は感染症が流行した場合にそれを食い止めるための公衆衛生の方法のひとつです。
その中身は、物理的な他者との接触を減らすことで、感染を防ぐ(感染のペースを落とす)というとてもシンプルなもの。
大人数での集まりを避ける、ビルなどの施設の閉鎖、イベントのキャンセルなどを示します。
日本でも3月より全国の小中学校・高校の休校措置が取られましたが、これも社会的距離戦略のひとつです。
この方法は特にインフルエンザや今回のCOVID-19のような飛沫感染(くしゃみや咳などによって起こる感染)の場合に特に有効だとされています。
社会的距離戦略(Social Distancing)の具体的な方法
今回の新型コロナウイルス感染に際して、日本でもよく「2メートル以内の接触で感染のリスクが上がるので人と距離を取るようにする」と言われています。
けれどそれだけでは正直わかりにくいし、具体的な行動に結び付きにくいですよね。
そこで下記に<安全な行動>、<注意が必要な行動>、<避けるべき行動>についてまとめてみました!
社会的距離戦略から見た<安全&推奨される行動>
- 散歩、ハイキング
- 庭いじり、個人の庭での屋外活動
- 家の掃除、読書、料理
- 家族でゲーム大会、DVD鑑賞
- 自家用車でのドライブ
- ビデオチャット(zoom,Skype,LINEビデオ通話など)
- 友人や高齢の知り合いと連絡を取り合うこと
ここでのポイントは他者と接触する(至近距離に寄る)可能性がない屋外活動、家でできるアクティビティ、そして精神衛生上一人で引きこもるのではなく適宜周囲と連絡を取り合うことを推奨している点です。
社会的距離戦略から見た<注意が必要な行動>
- レストランでの食事
- 食料品店への買い物
- 外出全般
- 薬剤の調達
- 公園でのテニス
- 図書館
- 旅行
ここで挙げられている行動は場合によっては他者と至近距離に寄る可能性がある行動です。
また、多くの人が手に触れたものを触って、その手で目や鼻を触れることで感染するケースもあります。たくさんの人が手を触れる場所での行動にも注意が必要です。
社会的距離戦略から見た<避けるべき行動>
- 公共交通機関の利用
- イベントなど大人数での集まり
- 家に人を招待すること
- 友達と遊びに出かけること
- 生活必需品以外の買い物
- デパート、ショッピングモール、ジムなどへ行くこと
- 公共交通機関の利用
ポイントは大人数が、密閉された空間に、長時間滞在するということ。
また至近距離での会話なども万が一相手が感染している場合、自分も感染するリスクがあがるので避けることが望ましいです。
感染症の流行に際して私たちが個人レベルでできることとは
今回は社会的距離戦略(Social Distancing)の考え方と具体的な行動についてご紹介しました。
3月中旬以降、ヨーロッパやアメリカでは多くの国が非常事態宣言を出してこれらの対策を徹底しました。
5月に入り、感染が下火になってきたヨーロッパは徐々に都市封鎖を解き、規制等も緩和させています。
けれど、新規感染者が減ったからと言ってすぐに以前のような生活に戻っては、また感染が広がってしまいます。
未だに有効な治療薬やワクチンは研究中で、医療機関の力と個々の努力によってここまで来たという状況です。
日本でも場所によっては緊急事態宣言が解かれましたが、まだ予断を許さない状況です。
手洗いや手指消毒は基本とし、その上で一人一人がこうした行動を取る必要もあるのではないでしょうか。
新しい病気の流行で不安が高まる今だからこそ、個人個人が取るべき行動についてしっかりと考え、実践していきたいですね。
一人一人の努力が重なって、1日も早くこの状況が落ち着くことを祈ってやみません。
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