体調が悪い時には病院へ行く、というのが一般的ですよね。
けれど病院に行くほどじゃないけれどちょっと体調が悪い時、みなさんはどうしていますか?
ヨーロッパではちょっとした体調不良の時、よく「ハーブティーを飲みなさい」とすすめられます。
ハーブティーは西洋の漢方と呼ばれるほど、ヨーロッパではメジャーな民間療法のひとつとして受け入れられ、活用されています。
この記事ではハーブティーの効果、効用、海外での受け入れられ方や選び方についてご紹介します。
この記事はこんな人におすすめ!
- 薬以外の健康法に興味がある
- ハーブティーについて詳しくなりたい
- 体調に合わせたハーブティーの選び方を知りたい
ハーブティーの覚えておきたい豆知識
ハーブティーの定義は実は曖昧
実はハーブティーには決まった定義はありません。
烏龍茶、紅茶、日本茶は実は同じ種類の植物(ツバキ科のチャノキ)から作られていて、その後の加工によって種類が分かれています。
一方、ハーブティーに使われている植物は多岐に渡り、加工の方法や使用する植物の部位もさまざま。
抽出の仕方にも、植物の葉や実を乾燥させて作るドライハーブティーや摘みたての植物にお湯を注いで作るフレッシュハーブティーもあります。
このように作り方も種類も幅が広く、諸説あるため一言でハーブティーを語るのはとても難しいです。
ここではさまざまなハーブ(薬用植物の葉、種子、花など)の一部または全体を使って水で煮出して飲む飲み物=ハーブティーとして紹介していきます。
ハーブティーはもともと薬として扱われていた?!
ハーブティーの始まりには諸説ありますが、紀元前460年頃の古代ギリシャにあったとの説が有力です。
医学の祖として有名なヒポクラテス。
彼が薬効のある植物から成分を抽出するために、ハーブを水で煮出して飲む方法を推奨したのがハーブティーの始まりと言われています。
ギリシャからバルカン半島にハーブティーは広がり、その後ヨーロッパ全域に広がったと言われています。
現代医学が発展するより前の時代は、体が持つ回復力を高めるという健康法・療法が主流でした。
そのひとつとしてヨーロッパでよく使われていたのがハーブで、今でも薬効のある植物をハーブティーにしたり料理にハーブを使ったりしています。
現代でもメディカルアロマが有名なフランスやオーガニック大国とも呼ばれるドイツを中心に、ヨーロッパ全体でハーブティーは日常的に取り入れられています。
ちなみに市販されているハーブティーのほとんどはドライハーブという種類で、ハーブを乾燥させた状態で販売されています。
フレッシュハーブとは違って約1年ほど保存が可能な点と、乾燥することによって薬効成分が凝縮され抽出されやすい点が特徴です。
アロマセラピーとしての効果にも注目
ハーブティーには薬効以外にもアロマセラピーとしての効果もあります。
アロマセラピーの定義も諸説ありますが、ここでは植物の芳香成分を使った健康法・療法としてお話ししたいと思います。
ハーブティーは作っている時も飲んでいる時もその香りを楽しむことができます。
香りの正体はハーブの芳香成分です。このハーブの芳香成分が鼻から入ってきて、脳に届き、神経系に作用します。これがアロマセラピーとしての効果です。
ちなみに香りの広がりはドライハーブとフレッシュハーブで異なります。香りを楽しむという意味ではフレッシュハーブティーとドライハーブティーを比べてみるのもいいでしょう。
なお、ハーブティーはさまざまな植物を使っているためアロマセラピー効果も薬効も、種類によって違った効果があるのが特徴です。
ハーブティーの種類と選び方
種類が多いハーブティー、選び方のポイントは?
ハーブティーの選び方は大きく3つに分かれます。
- 効果で選ぶ
- 味で選ぶ
- 香りで選ぶ
ハーブティーは先ほど紹介した通り、さまざまな植物から作られているため種類が多く、すべての薬効を覚えるのは困難です。
けれど難しく考えることなく、香りや味で選ぶのもハーブティーの楽しみ方のひとつです。
またハーブティーは一種類のハーブを使ったシングルハーブティーと、数種類のハーブを混ぜたブレンドハーブティーがあります。
ブレンドハーブティーではハーブ同士の相乗効果も期待できますし、少量ずつハーブを混ぜることで飲みやすくなることもあります。
ハーブのみのハーブティーは少し苦手、という方におすすめなのは紅茶とハーブをブレンドした茶葉。ハーブ特有の香りが紅茶と混ぜることで少し和らぐため、飲みなれた味に近づきます。
またハーブティーにはちみつを少量加えることも、飲みやすくなるのでおすすめです。
海外ではハーブティーってどこで売っているの?
日本だとまだあまり多くの種類のハーブティーを見ませんが、ヨーロッパではドラッグストアやスーパーなどで気軽に手に入れることができます。
他にもドライフルーツなどを売っている乾物店やHerbal Pharmacy(ハーブ薬局)というハーブ専門店もあるので、訪れた際にはそういったお店を覗いてみるのも楽しいでしょう。
おすすめのハーブティー6選
東欧で生活をしている中で、ドラッグストアや周囲の人からおすすめされたハーブティー6種類をご紹介します。
カモミールティー
日本でもメジャーなハーブティーのひとつ、カモミールティー。
甘みのある香りでリラックス効果があるためイライラしている時、不安な時におすすめです。
けれどそれだけではなく体をあたためる・発汗促進・利尿作用といった効果もあります。
こうした作用で体の免疫力が高まるため風邪のひき始めによく勧められるハーブティーです。
リンデンティー
高さ40mほどのヨーロッパ原産の木、西洋菩提樹。その花から作られるのがこのリンデンティーです。
あまり日本では馴染みがない植物ですが、ヨーロッパでは街路樹としてよく植えられています。
ふわりと甘い香りが特徴です。
このリンデンティーはカモミールティーと似たような効果があります。
アロマセラピー効果としては精神的な緊張・不安・イライラを取り除いてくれます。
また発汗作用・利尿作用もあるため、風邪のひき始めや不眠の際によく飲まれます。
ワイルドタイムティー
タイムといえば肉料理や魚の臭み消しによく使われるスパイスです。
ワイルドタイムはタイムの近縁種にあたりますが、比較的刺激が少ないのが特徴です。
スパイシーで爽やかな香りのワイルドタイムティーは消化器系の不調の際に飲まれます。
また去痰作用(痰を出しやすくする)もあるため咳がひどい時にもおすすめです。
ミントティー
すっきりした香りのミントは日本でも馴染みが深いハーブのひとつです。
リフレッシュできる香りと胃腸の機能を整える効果があるため、ミントティーは食欲不振や胸焼けのする時に好んで飲まれます。
また鎮痛効果もあると言われていて頭痛や生理痛にもおすすめです。
ローズヒップティー
ビタミン類を多く含むローズヒップは「ハーブの女王」とも呼ばれています。
ローズヒップとはバラ科バラ属の赤い実のこと。実が赤いため紅茶の赤いイメージですが、ローズヒップティーは本来黄色をしています。
抗酸化作用や肌の新陳代謝促進といった効果があるので美肌のためのケアにおすすめです。
また整腸作用もあるため、薬局では下痢症状がある際におすすめと言われました。
オレンジフラワーティー
ビターオレンジの木から取れる小さな花。この花を作って作られるアロマエッセンシャルオイルはネロリといって精神を落ち着けるのに効果的です。けれどネロリのエッセンシャルオイルは高価で流通量も少ないためなかなか手に入りません。
そんな花を使った紅茶がこのオレンジフラワーティー。
ネロリのエッセンシャルオイル同様ストレス緩和に効果があり、肌の新陳代謝を高めてくれるなど美容にも効果的なので女性に特におすすめのハーブティーです。
ハーブティー服用の際の注意点
ハーブティーの効果・効用について紹介してきましたが、注意が必要な場合もあります。
それは小さなお子さんや妊娠中・授乳中の方です。
ハーブティーは基本的にほとんどのものがノンカフェインです。
そのためお子さんや妊婦さんにおすすめする方もいますが、妊娠中には避けた方がよい種類のハーブティーもあります。
例えば先ほどご紹介したミントティーも小さなお子さんには刺激が強く、あまり勧められていません。
アロマセラピー全般にも言えることですが、妊娠中・授乳中はいつも以上に体が敏感な状態にあるのでより注意が必要です。
日本でもブレンドハーブティーのお店など専門店があるので、妊娠中・授乳中の方は確認することをおすすめします。
気軽にハーブティーを生活に取り入れてみよう!
今回ハーブティーの歴史や効果、おすすめのハーブティーについてご紹介しました。
ヨーロッパの長い歴史の中で生活に結びついてきた民間療法のひとつ、ハーブティー。
効果効能のご説明をしましたが、薬効だけに捉われずさまざまなハーブ香りを楽しむことができるのもハーブティーの良さ。
数種類のハーブティーを用意して気分に合わせて選ぶのも楽しいものです。
あまり難しく考えず、ぜひ気軽にチャレンジしてみてください。
ブルガリア在住のチカがご紹介しました!
Twitter(@key33383660)にてヨーロッパでの生活や旅行、海外子育てについて呟いています。もしよろしければフォローお願いします♪
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