新型コロナウイルスの影響で世界中の都市が封鎖状態になり、学校も休校措置を取っている所が多いですね。
私が住むブルガリアも2020年3月13日に緊急事態宣言が出され、以降休校が続いています。
3月16日から早速オンライン授業が開始となったので、すでにオンライン授業7週目に入りました。
日本でも緊急事態宣言の延長が決定となり、オンライン授業が導入される学校もあるとの話を聞きました。
けれど低学年、特に4月に小学校入学となった新1年生などはまだ学校のこともあまり知らず学習することにも慣れておらず、不安を抱えている親御さんも多いかと思います。
そこでこの6週間の我が家の経験を踏まえて、海外の幼稚園でのオンライン授業の様子をご紹介します。
オンライン授業の形式・内容
前提として我が家の子供達は違う学校に在籍中です。
息子はインターナショナルスクールの 年長(Kindergarten)クラス、娘は現地の英語幼稚園の年中クラスに通っています。
学校・学年によって授業の内容が大きく異なるので、まずはそれぞれのオンライン授業の内容についてご紹介します。
息子は日本では4月から新小1の学年ですが、こちらでは新学期が9月からなので、まだ年長クラスです!
ただ年長クラスと言っても【算数・英語の読み書き】をクラスで学び、その他に専門科目として【美術・音楽・体育・第2外国語・ブルガリア文化】などの授業があるので、日本の小学生と同じように授業を受けている感じです。
インターナショナルスクール:年長クラスのオンライン授業
- オンライン授業の形式
:個別学習
- オンライン授業の流れ
- 学校専用のSNSページ(Facebookのグループページのような場所)に各自アクセス。
- SNSのクラスページに担任の先生からの指示がある。
大体1日に10個ぐらいの課題が出ている。 - 順番に課題をこなす。
- クラスの課題が終わったら、専門科目のページにアクセスし、課題を確認し実施する。
- 課題が終わるごとに写真を撮り、それを担任が用意したGoogleドキュメントの共有フォルダに親がアップする。
- Googleドキュメントにアップするとランダムに先生からのコメントあり。
- オンライン授業の内容(毎日の課題)
毎日の課題は日によって異なりますが、大体下記のような内容です。
- 朝の会のあいさつ
- 天気の記録&学校に通い始めて何日目かをチェックし数字を記入
- 足し算・引き算
- 絵本の読み聞かせ
- 絵本を読んでの感想などを絵&文章で表現
- アルファベットの練習or算数のゲーム(動画内で詳しく指示あり)
- 絵本の音読(指定の絵本アプリから好きなものを1冊選んで音読する)
- 軽い運動
- 専門科目のページをチェックする
- 今週のお手伝い
※基本的にほとんどの課題ごとに動画も合わせてアップされている。その動画を見て課題に関しての細かい指示を把握し、各自実施する。
息子のクラスでは基本的にはクラスのメンバー全員が集まって行うグループ授業はありません。
今までに一度だけ開催されましたが、時間が合わず不参加の人もいました。
5週目からは担任・副担任との個別のビデオチャットをする時間が週2回、15分/回ずつ設けられ、その時間に算数の指導を受けたりアルファベットの書き方を習ったりしています。
生徒ごとにGoogleドキュメントのフォルダがあるので、他の生徒のフォルダを見ることはできませんが、それぞれがアップした写真を担任がクラスのSNSページにアルバムとして掲載しているため、他の子達がどのように課題の取り組んでいるのかを見ることができます。
現地の英語幼稚園:年中クラスのオンライン授業
- オンライン授業の形式
:zoomを利用したグループ授業(担任&児童約10名) - オンライン授業の流れ
- 担任から毎日メールでzoomの招待リンク、その日に準備する物の指示が送られてくる。
(zoomの実施時間は基本的に毎日同じ時間) - 指定の時間にzoomにアクセス。
- 約40分間のzoomでの指導。
- zoom終了後、もし翌日までの宿題があれば担任からメールで指示が送られてくる。
- オンライン授業の内容
日によって違いますが、大体の流れは下記の通りです。
- あいさつ
- 軽く世間話(担任が一人ひとりの生徒の話題を振る)
- 軽い運動(手を振ったり、肩を上げ下げしたり、軽くジャンプしたり)
- アルファベットや数字の練習、お絵描きなど
- 先生が指示した物を探して持ってきて紹介する(丸くて黄色いもの、お気に入りのおもちゃ、など)
現地の英語幼稚園はオンライン授業1週目はメールでの指示(絵本のyoutubeリンクの紹介、PDF添付など)のみでした。
けれどプリンターを持っていないご家庭もあったり、課題の提出も明確な指示がなくて親としてもどうしていいか戸惑ってしまう人もいたりして、上手く進まなかったようです。
2週目以降は上記の通りグループ授業形式に変更し、課題も基本的にはzoomの時間内だけで完結するものになりました。
親目線で見たオンライン授業のメリット・デメリット
私は教育のプロではありません。
けれどこのご時世、急遽いつもの学校の授業からオンライン授業に切り替わり、混乱する中でオンライン授業を子供と一緒に受けてきました。
他のママ友とも話して感じた親目線のオンライン授業のメリット・デメリットについてご紹介します。
オンライン授業のメリットとして、最初に挙げられるのはやっぱり学習面のこと。
親が教科書やワークを見て課題を出すだけでは、その年齢にあった量や難易度なのかを判断するのはなかなか難しいですよね。
その点でオンライン授業で毎日の課題を明確に提示してくれるのは分かりやすい指標になります。
また、無理なく終わらせられる量の課題を毎日出されることで毎日継続して学習する習慣を作ることもできます。
そして私個人として最も大切だと感じたのが学校への所属意識を保つことができる点です。
家庭学習とオンライン授業の一番大きな違いはこの他者との関わりにあるのではないでしょうか。
正直、いろんな通信教育やサービスもあるから学習するだけなら頑張れば家庭でもできたりするかもしれません。
でも、やっぱりお友達や先生と一緒に勉強しているという意識を持てるのはオンライン授業の最大の魅力だと思います!
もちろんオンライン授業はメリットばかりではありません。
我が家は小1・年長と小さな子どもしかいないので、もう少し上の学年の子たちの様子は実感としては分かりません。
けれど年上の兄弟を持つママ友からは
「8歳くらいから一人でもできるけど、それより小さい子は付きっきりじゃないと無理だよね。」
と言われました。
実際私も朝9時からスタートして、おやつ休憩・お昼休憩をはさんで15時頃まで息子の課題に付きっきりです・・・
その間に娘は「私とも遊んで!!!」と怒ったり拗ねたりするし、どちらかがビデオ通話する際には必死にもう一人を静かにさせたりなど、控えめに言ってカオスです。
また今回のオンライン授業への切り替えは予期していなかったものなので、先生方も対応に追われていて、たまに指示が分かりにくいこともあります。
先生方は全力を尽くして準備しているので感謝するばかりです。
けれど慣れていない試みに、親も子も先生も、最初はどうしても混乱してしまいました。
親目線で考えるオンライン授業成功の秘訣
オンライン授業開始から3週間ほど経つとだんだんペースが掴めてきました。
幸い我が家の子供達、特に息子は比較的スムーズに課題に取り組んでいます。
ここでは実際に我が家で取り入れたオンライン授業のための準備や試みをご紹介します。
1.タイムテーブルの作成
休校が決まった翌日に上記写真のタイムテーブルを作りました。
このタイムテーブルのポイントは子どもと一緒に作成したことです。
子どもたちと相談しながら
・何時にテレビを見たいか、
・何時だったら余裕を持って起きられそうか
・おやつは何時に食べたいか、また普段が園生活ではどうしているのか
・夜は何時に寝たら次の日にすっきり起きられそうか
など、生活リズムを決めていきました。
完成後は目に入りやすい場所(我が家はテレビの横)に貼り時計と見比べやすいようにしています。
子ども達も自分で時間を決めたので、
「あ!もうおうちスクールの行く時間だ!」
「そろそろおやつの時間かな?」
など時間を意識して動いています。
2.環境整備
これは息子の学校からの指示でしたが、【学習スペースを整える】ことをしました。
机・椅子の位置を決め、学習道具をセットしたり終わった後に片付ける箱を用意したり。
学校ではないけれど、学校にいるときのような気持ちで学習に臨めるように形から入ることも大切です。
3.約束事を確認する
これも息子の学校からの指示で行いました。
約束事の具体的な内容は
- 現在は新型コロナウイルスの影響で学校に通うことはできない。
- 家にいることは身を守ることに繋がり、家にいる限りは安全である。
- 学校にいる時のように、責任感のある行動をとりましょう。
- 学校にいる時のように、尊厳のある行動をとりましょう。
というものです。
責任感のある行動とは、【授業を受けるための準備を自分でする、授業の時はちゃんと勉強用のスペースにいる、挑戦する気持ちをもつ】など。
尊厳のある行動とは、【親切にする、人の話をしっかり聞く、着替えをして授業に臨む】など。
文字にすると堅苦しい感じがしますが、学校にいる時と同じように安心して、でも緊張感を持ってオンライン授業に臨みましょうという約束をしました。
4.友達や先生との関わりを重視する
先ほどオンライン授業のメリットでも挙げた通り、個人での家庭学習とオンライン授業の大きな違いは所属意識を持てるかどうかという点です。
zoomなどのグループ授業であれば、そこに参加することで友達や先生の顔を見てクラス単位での行動をとることができます。
また個別授業だとしても、
・SNSのクラスのアルバムを見る
・先生方とのGoogleドキュメントでのコメントのやりとり
・時々の先生とのビデオ通話
を通して、お互いの様子を知ることができます。
この他、息子のクラスではママ同士のWhatsApp(LINEのようなアプリ)のグループがあり、それも活用しています。
ママ同士のグループでは、情報交換をしたり、この期間中に誕生日を迎えた子がいた場合には動画やメッセージを送って祝ったりしています。
新型コロナウイルスの感染防止策のため、現在は直接お友達と会うことはできません。
けれど、一人で淡々と学習を続けていく場合どうしてもモチベーションを保つのが難しくなります。
オンライン授業が開始されたら、同じ課題を取り組んでいる友達同士で励ましあったり、先生とも連絡を取り合ったりして繋がりを大切にしていけたら、モチベーションを維持しやすいのではないでしょうか。
ブルガリアのオンライン授業体験談のまとめ
今回はブルガリアでのオンライン授業の実際についてご紹介しました。
ブルガリアではなぜオンライン授業がスムーズに導入できたのか、というと元々IT環境が比較的整っていたからだと思います。
息子の通うインターナショナルスクールでは元々学校専用のSNSがありました。
また娘の通う幼稚園はSNSはないものの、先生方との連絡は基本的にメールでした。
このように、元々のプラットフォームがある点に加え、私立なのである程度全員が経済的にも安定しているという前提を持っている点が、比較的スムーズなオンライン授業導入につながったと思われます。
日本のオンライン授業の様子や今後どういった対応が取られるのかは分かりませんが、家庭保育の方やこれからオンライン授業が始まるご家庭の方のお役に立てれば嬉しいです。
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